オルソケラトロジーは有効的な近視抑制方法である
 
オルソケラトロジーとは
オルソケーまたはオルソケラトロジーレンズとも言います。オルソケラトロジーとは特殊な形状が施された、高酸素透過性の専用ハードコンタクトレンズで夜、寝る前につけて、朝起きたらはずします。オルソケラトロジー治療は、夜寝ている間に角膜の形状を平らに矯正し、光の屈折率を変化させること一定の時間内にピントが合うようになり、メガネや他のコンタクレンズに頼ることな生活できます。オルソケラトロジーはハードコンタクトレンズでありながら、特殊なデザインの高酸素透過性に優れているためあなたの眼を安全に守ります。

 

治療の効果

オルソケラトロジーを処方する目的

  • オルソケラトロジーコンタクトレンズを眼につけて一晩寝ることによって、次の日の昼間の裸眼視力を日常生活に支障がないよう保つことです。装用時間は少なくとも6時間以上必要です。
  • オルソケラトロジーは近視が進むのを抑制するということで、たいへん注目されています。遠くを見た時に網膜の周辺のピントが合っていないと眼軸が伸びるのではないかと言われるようになりました。オルソケラトロジーは周辺部のピントのずれが改善されるの近視の進行が抑制されると考えられています。

オルソ K レンズは,高酸素透過性素材を材料に作製されたリバースジオメトリーと呼ばれる特殊なデザインを持つハードコンタクトレンズ(HCL)であるが,あらゆる点で通常の HCL とは異な特徴を持ちます

①夜間装着:日中活動時の裸眼視力の向上をその使用目的とする。

②中等度の近視くらいまでに有効:可能矯正屈折度数には限界がある。

③ 角膜中心部がフラット,中間周辺部がスティープ,周辺部がパラレル(アライメント)となる特殊なフィッティング原理を有する。

④ 可逆性である:日中の裸眼視力の向上を目的とするため,睡眠時の装用を繰り返すことにより屈折状態を変化させるが,使用を中止すれば元の屈折状態に戻る

⑤ 特殊なレンズ形状と睡眠時の装用である点で,より入念なレンズ管理を必要とする

 

オルソケラトロジーの特徴

1.夜間就眠時に装用する

通常のコンタクトレンズとは違い、寝ている間に装用し、起きている間は外します。

2.矯正効果が出るのは期間が必要

角膜形状の変化が安定するのには時間がかかるため、装用開始後3~4日目より徐々に効果が現れてきます。

3.可逆性

レーシックのように角膜を削る手術ではないため、中止することで最終的には元の状態に戻ります。

4.軽度中等度の近視乱視までが治療の適応

近視は-1~-4D程度まで、乱視は-1D程度までの度数が適応となります。

オルソケラトロジーに向いている
  • 軽度~中等度までの近視の(近視<10D、乱視<3D)、最も効果を期待できるのは近視<6Dと乱視<1Dです。
  • メガネやコンタクトレンズの煩わしさから解放されたい
  • 18歳未満でレーシック手術適応外の
  • 近視の進行が速い子供

オルソケラトロジーの適用の条件

ブレスオーコレクトが処方できない患者様

次のような患者様には処方できません。予めご承知おきください。

  • 前眼部の急性及び亜急性炎症の患者
  • 眼感染症の患者
  • 角膜知覚低下の患者
  • 重症なドライアイ及び涙器疾患の患者
  • コンタクトレンズの装用、またはケア用品の使用によって、眼表面あるいは眼付属器にアレルギー性の反応を起こす、または憎悪する可能性のある患者
  • 円錐角膜の兆候あるいは他の角膜疾患がある患者
  • 妊婦、授乳中の女性あるいは妊娠の計画がある女性
  • 免疫疾患(例えば後天性免疫不全症候群、自己免疫疾患)あるいは糖尿病患者
  • 角膜、結膜、眼瞼に影響を及ぼす眼疾患、損傷、奇形などがある患者
  • 眼に充血あるいは異物感のある患者
  • 眼科専門医の指示に従うことができない患者
  • 定期検査を受けられない患者
  • 職業として常時適正な視力が必要で、視力の変調があった際に職業の休止が困難な患者
  • 不安定な角膜屈折力(曲率半径)測定値あるいは不正なマイヤー像を示す(不正乱視を有する)患者
オルソケラトロジーの副作用
  • オルソケラトロジーは夜間寝ている間にコンタクトレンズを装用し、角膜の形状を変形させて視力を矯正します。具体的には角膜の形状を扁平化(平ら)させる型をつけることになります。角膜の中央部分の形を変えているので、「中央の変形した部分」と「周辺の変形していない部分」と「その境目」ができてしまいます。その3つの部分は屈折力が違うので、どうしても見え方にブレや、光のにじみを作ってしまいます。メガネや通常のコンタクトレンズとは異な見え方で、見えにくさが出る事があります。
  • 他の種類のコンタクトレンズと同じく以下の症状が現ることがあります

流涙、目の充血、違和感、ヤニ

ドライアイ、光に対する敏感、かすみ

角膜の擦過傷または炎症

上記の症状を予防するために、患者はレンズの洗浄、使用および保存の原則を厳守し、定期的に検査する必要があります。上記の症状が発生した場合、速やかに受診する必要があります。

オルソケラトロジーレンズの種類

日本製シード社のブレスオコレックトオルソケラトロジー

TORAY)ブレスオーコレクト®

ユニバーサルビュー(製造販売)

厚生労働省認可のオルソケラトロジーレンズ。日本人の角膜に合うよう設計されており、素材生産ともに国産&国内工場で対応。臨床データにおける有効性試験の数値は9割と高く、-8.00Dまでの強度近視と、その半分までの度数の乱視に対応できます。

今後メガネ、コンタクトレンズ、レーシックに続く視力矯正法として注目されています。

ブレスオーコレクト®の臨床試験データ

酸素透過係数            117±23×10-11 ※クーロメトリー:(cm²/sec)[mLO2/(mL·hPa)]

屈折矯正度数            -1.00~-8.00D(.50D間隔)

倒乱視<-1.50D

直乱視<-.75D

有効性試験    極めて有効(89.5%)

ブレスオコレックトオルソケラトロジーの特徴

(1)日本人の角膜形状に合わせたレンズ設計

(2)衝撃に強い破損しにくい素材

(3)安心の素材

(4)高い酸素透過性

(5)充実のレンズ保証

 

アメリカファーゴ社のオルソケラトロジー

対応度数

近視 -1.00D~-9.00D

乱視 -3.00Dまで

レンズの特徴:強度乱視を矯正できる

日本国際眼科病院でのオルソケラトロジー処方の流れは以下になります

ステップ1:適用性の有無のための検査とコンサルティング

①適応検査

屈折眼圧検査:目のデータを測定する検査

視力検査:目がどのくらい見えているかの検査

②治療の説明

※詳し検査内容は、病院までお問い合わせください。

ステップ

  • 角膜形状検査:角膜がどのような形をしているかの検査
  • コンタクトレンズの値決定
  • フィッティング
  • デポジット手続き

ステップ3オルソケラトロジーコンタクトレンズの受け取りと装着指導

  • コンタクトレンズの受け取り
  • 装用練習と使用中の注意点の説明

ステップ4:定期検査

オルソケラトロジーレンズの渡し後、定期的に検査を受ける必要がございます。

翌日

1週間後

1か月後

3か月後

以後3か月毎

オルソケラトロジーコンタクトレンズの着脱手順

装着の手順

  • 入眠15分前に装着する
  • レンズを洗浄、チェックをしてから目薬(人工涙液)をレンズの内側に数滴入れます。
  • 下を向き、両目でまっすぐ見ながら、レンズを軽く角膜に押し付けるように入れます。
  • 顔を上げてゆっくりまばたきをします。

※レンズの洗浄保存は、推奨ケア用品の取扱ルールに従い行ってください。レンズ装用時には、目やレンズに異常がないかよく確認してください。

レンズの取り外し

  • 手をきれいに洗います
  • 目に人工涙液を点眼します
  • 鏡を見ながらスポイトをレンズの中心又は黒目の2/3に吸着させて静かに取り出します
  • レンズをよく洗い、保存液に付けます