レーザー光凝固術とは、網膜をはじめとする眼底（眼球の奥）の病変部にレーザー光線を照射して焼き固めることによって、病気の進行を阻止するために行われる治療法です。
この治療法で視力を改善することはできませんが、今現在の視力をほぼ維持しながら病気がそれ以上悪化することを予防するという意味では、特に網膜に発生するさまざまな病気に対して非常に有効とされています。

日本国際眼科病院では半導体レーザー装置オキュライトSLxを採用しており、照射されたレーザー光は網膜や虹彩に達し、光エネルギーが組織中の色素に吸収され、熱凝固を起こすことにより治療が行われる。網膜光凝固、虹彩光凝固、隅角光凝固、毛様体光凝固などに使用されます。

レーザー治療はどのように行われるか？

麻酔の目薬をしたあとにレーザー用のコンタクトレンズをつけて行います。

多少の痛みを伴う場合がありますが、10 分から 15 分程で 1 回の治療は終わり

ます。網膜全体に行う場合は症状に応じて、日を空けて通常数回程度に分けて

行います。また必要に応じてレーザーを追加する場合があります。レーザー直

後は暗く感じて見えにくくなることがありますが、普通は 15 分程で戻ってきます。当日は特に安静の必要はなく日常生活に制限はありません。

– 網膜にしっかりと凝固斑がでてくるまでは、激しい運動や腹圧のかかる作業は慎んでください。光凝固を受けても、残念ながら網膜剥離に進行してしまう場合もあります。急に黒いゴミが増えた、光が飛ぶなどの症状が出た場合はすぐに受診してください。
– 医師に指示に従って処置後の点眼を行っていただく。
– 網膜変性のレーザーの場合は生活や運動に強い制限はありません。しかし、重荷を持ち上げる作業、対抗的な運動、サッカー、テニス、バドミントンなど目に衝撃を与えるリスクのある運動を避けて下さい。

– この手術は失明予防が目的であり、凝固した部位は光を感じなくなるために術後は暗く感じたり、手術の影響で網膜中心部に浮腫が生じたりすることで視力低下が起こることがあります。

– レーザー後一時的飛蚊症が強くなったりフラッシュを感じたりします。レーザーしたから飛蚊症が治るわけではありません。視力低下が伴っていなければ経過観察となります。

– レーザー用コンタクレンズを使用するため角膜に細かい擦り傷ができることがあります。状況によって感染予防の薬を処方することがあります。

– 個人の疼痛域の違いにより痛み又は熱感を感じる人がいます。数時間経つと疼痛が緩和されますのでご安心ください。

– レーザー中の光の影響でレーザー後周りが赤く見えます。この現象は数時間後に自然と消えます。