近視進行抑制治療
近視とは?

近視とは目に入る光線が網膜の前で結像する状態です。

裸眼では近くは見えますが、遠くは焦点が合わずぼやけて見えます。

近視の徴候は、患者がしばしば目を細めたり、ターゲットをはっきりと見るためにまばたきしたり、頭痛を伴う眼精疲労、斜視 (通常は強度近視の人に発生) として挙げることができます。学童期になると、身体の発達とともに近視も進行していきます。

近視の原因には角膜や水晶体の屈折力が強すぎる場合と、眼軸長(眼の奥行の長さ)長すぎる軸性近視があります。大部分の方は軸性近視です。

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子供の近視の原因

 

近視は、角膜が湾曲しすぎたり、眼球の軸が長すぎたり、またはその両方である場合に発生し、光が通常のように網膜ではな網膜の前に焦点を結びます。近視のリスクを高める可能性のある要因には、次のものがあります。

  • 遺伝要因

    親のどちらか一方でも近視である場合、子供が近視になるリスクが高くなります。両親ともに近視の場合、そのリスクはさらに高くなります。

  • 環境要因: 一部の研究によると、近距離で継続的に勉強したり、仕事をしたり、屋外での活動を行わなかったりすると、近視になるリスクが高まることが示されています。
近視の進行抑制がなぜ重要なのか?

子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれ生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることはありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。

また、近視は高度な近視の場合、回復不可能な視力喪失、黄斑変性症、網膜剥離、または緑内障に発展する可能性もあるといわれています。

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近視の進行を抑制する可能性のある方法

1. オルソケラトロジー
Ortho-K は一時的な屈折矯正法で、夜間の就寝時に装着し、翌朝の起床時に外します。ひと 晩に平均 6 ~ 8 時間の睡眠時間が必要です。子供は、眼鏡やコンタクトレンズなしで、日中はっきりと見えるようになります。オルソケラトロジーは、カーブの弱いハードコンタクトレンズを睡眠時に装着して一時的に角膜の形状を平らにし、焦点を後方にずらすこと眼鏡やコンタクトなしで、良好な裸眼視力を得ようとする屈折矯正法です。

メリット

  • 日中裸眼で過ごせる(活動時にコンタクトレンズや眼鏡を装着しないため、激しスポーツや水中スポーツなどでも安心)
    ※特に年齢が若く(角膜が柔らかいとされているため)、近視が軽度の方は、すぐに近視矯正効果が出やすく、日中裸眼で快適に過ごせる時間が長くなります。

  • 近視進行抑制効果が期待できる(多数の研究あり)

デメリット

  • 通常のハードコンタクトレンズと同様に毎日のレンズケアが必要です。
  • 近視や遠視、乱視などの屈折状態や眼の状態(眼疾患等)によってはオルソケラトロジーに適応できない場合があります。
  • 治療費が高い。
2. 低濃度アトロピン
 
アトロピン点眼は網膜や脈絡膜内のムスカリン受容体に直接作用して眼軸長の伸長を抑制するものと考えられています。副作用が少な手軽に使える.01%の低濃度アトロピンが急速に普及しています。
 
メリット
  • 近視の進行を平均60%軽減させると言われております。.
  • 日中の光のまぶしさに影響を与えないと言われております。
  • 目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えないと言われております。
  • ベトナムでは低価格。
デメリット:
  • 長期間(2年以上)に渡り、使い続ける必要があります。
  • 医師の指示なしに使用を中止すると、近視がより急速に進行するリスクが高まる可能性があります。
3. 遠近両用メガネを使う方法
 
遠近両用メガネは目薬やコンタクトに比べると抑制効果は少ないですが、目に対する侵襲も少ないので、気楽に安心して始められるというメリットがあります。これは『調節ラグ』近視の進行の一因になっているという説から考えられた治療法で、累進屈折力レンズ、いわゆる老眼用の遠近両用メガネを用います。子どもに遠近両用メガネと聞くと驚くかもしれませんが、近くを見るときの調節力を軽減させ、網膜の中心部における焦点ボケを防ぐことで眼軸の延長を抑制し、近視の進行を抑制します。 「累進屈折力レンズ眼鏡」は、通常の眼鏡やコンタクトレンズに比べて平均10~20%の近視の進行を抑制することが判っており、当院でも処方を行っております。
 
メリット
  • 目に対する侵襲も少ないので、気楽に安心して始められる
デメリット:
  • 一般の眼鏡と比べてやや値段が高い。
  • 患者が眼鏡に慣れるまで時間がかか

4. 適切なメガネを着用する

網膜にピントを合わせるのは、ぼやけた像を網膜に写していると、目の構造をかえてピントを合わせようとして、眼軸が伸びるという説があります。なので、ピントがちゃんと合う完全矯正の眼鏡を作ることは大切ですが、急に強めの眼鏡をかけるとクラクラした疲れたりすることがあるので、徐々に度数を上げていくこともあります。

メリット 

  • 老若男女問わポピュラーで使いやすい。
  • 手頃

デメリット:

  • 単焦点の眼鏡は特に近視が強い場合ではセンターから離れれば離れるほど画像のゆがみが強くなっていく。
5. 生活習慣
 
  • 20の原則: 長時間に渡り近くを見ること(スマフォ、ゲーム、読書、コンピューター作業など)を避ける。20分近く作業した遠く(20フィート)を20秒間見ることを勧めします。
  • 自然光が入るように、学習テーブルは窓の近くに配置されています。テーブルと椅子のサイズは年齢に適しています。あごからテーブルまでの距離は、腕の長さくらいです。
  • 屋外活動:

    屋外で過ごす時間が長い小児は、近視になる確率が低いことが明らかになっています。1日2時間以上野外活動をすると眼軸延長抑制効果があると言われています。屋外活動が近視抑制効果がある理由は、遠くを見る時間が増えることと、光の強さと、色収差な色々な要因が関係しているのではないかと考えられています。
    すでに近視になってしまった子供の近視進行を遅らせる効果はないと言われていますので、近視になる前に外で遊ぶ時間を増やしましょう。

近視進行抑制はいつまで続ければよい?
近視進行の制御は、できるだけ早く行う必要があります。特に 8 ~ 13 歳の学童期の子供は、近視の進行を注意深く監視する必要があります。さらに、子供の近視は、成人期 (18 歳)まで進行し続けますので基本的に近視の度数が落ち着くまでコントロールする必要があります。
日本国際眼科病院での近視進行抑制

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経験豊富な医師

当院には、屈折異常の検査と治療において長年の経験を持ち、国内外でトレーニングを受けています。

最新の治療法の展開

日本国際眼科病院では、子さまの年齢や屈折異常の具合に応じたさまざまな近視進行予防法を取り込み、個々の子様に適切な近視進行抑制方法を提供しております。

きっちりとした治療計画

当院には日本から直接輸入した電子カルテシステムを使っており、データの長期保存により、子様の近視の状態や進行状況を綿密にモニターリングすることができます。検査と治療のプロセスは日本の基準に準拠しており、予約リマインダー システムにより、患者は治療計画に厳密に従うことができ、治療の効率を最大限に高めることができます。